9月
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最近、釣具を自作しております。自作と言っても簡単なものばかりですが、今回は、アシストフックの引張強力に付いて、測定を行ってみました。
と言うのも私は、釣り針への結線方法を『本結び(ネイルノット)』で統一しています。
釣り場では、枕掛け外掛け結びを用いますが、家で仕掛けを作る際は、ほとんどがネイルノットです。
本線が結び目の外側に出ていないので、傷に強いかなぁ~という思い込みです(w
カブラやインチク用の仕掛けは、2本針で作製しますが、ネイルノットで作製すると、ラインが長くなり、上手く作ることができません。よって、『セキ糸』や『根巻糸』での結線が重要になってきます。
前置きはさておき、『セキ糸』や『根巻糸』を使ったアシストフックは、結び目がありませんので、どれくらいまで引っ張っても大丈夫なのか、とても気になっていました。
折角なので、引張強力を測定することにしました。レポート形式で、載せたいと思います。
■■使用ライン■■
①PEライン8号(37kgf/80lb)…よつあみ(YGK)パワーハンター
②PEライン12号(60.5kgf/130lb)…サンラインDEEP ONE(ダイニーマ採用)
③ジギング用PE/ナイロンライン(22.5kgf/50lb)…OWNERパワーフレックスPF-02
④ガリス ウルトラノット15号(68kgf/150lb)…よつあみ(YGK)
■■使用フック■■
マジティカ 鯛カブラ用専用フック TAIGA11号
■■使用根巻糸(セキ糸)■■
TEAM釣武者 ケプラー根巻糸
■■試験手順■■
1.フックに根巻糸を往復巻き付け、それぞれのラインをセットし、なるべく強く2往復巻き付け、ネイルノットで締め付けた後、余ったラインを切る。
2.巻き付けた糸に、低粘度の瞬間接着剤を染み込ませ、1日自然乾燥させる。
3.各検体のラインの端部をダブルラインで8の字結びにし、輪を作る。(ガリスウルトラノットは、始めから端部を輪にしてある。)
4.各検体のフックを万力で固定し、S社オートグラフ(引張試験機)で引っ張り、ラインが抜けた強力を測定する。
↑ 左より検体①~④
■■測定結果■■
検体名 |
引張強力[kgf(lb)] |
①PEライン8号 | 14.2 (31.6) |
②PEライン12号 | 14.1 (31.3) |
③ジギング用PE/150lb | 14.2 (31.6) |
④ガリス ウルトラノット15号 | 21.9 (48.7) |
注意)1lb=0.45kgf で換算しています。
■■考察■■
『④ガリス ウルトラノット15号』が、他の検体よりも高い値を示しましたが、他の3種類は14kgf(31.1lb)程度で同様の値でした。
しかし、この測定の予備試験として、使用ラインを『③ジギング用PE』に固定して、測定を行っていますが、最低値9.4kgf(20.9lb)-最高値14.2kgf(31.6lb)とばらつきを示していました。他のラインに比べ、表面が非常に硬く、根巻糸の食い込みや摩擦係数が低いことが、原因と考えられます。
一方、最も値が高かった『④ガリス ウルトラノット15号』は、非常に根巻糸の食い込みが良かった為、高い結果に繋がったと考えられます。
更に、このフックは、12kgf(26.7lb)程度の力で、針が伸びてしまいますので、万が一大物がヒットした場合、ラインが抜ける前にフックが伸びてしまう状態になりますので、性能としては十分だったのではないかと思われます。
アシストフックの場合、根巻糸とフック、根巻糸とラインのそれぞれの摩擦が積み重なって、引張強力を生み出していると考えられますので、より強く巻き付けることが大切かと思います。
余談ですが、『③ジギング用PE』をネイルノットで結線した場合、13.4kgf(約30lb)で結び目からラインが切れました。もちろん、フックも曲がっていました。結び目は弱いというのが実証されたワケですが、ネイルノットで結線しても、『セキ糸』や『根巻糸』で結線しても、同等の性能を確認できたことは、有意義な測定だったと思います。
(測定n数を増やして、作製のバラツキの統計的な傾向を見るのも良いかと思いますが、ちょっとコストが掛かるので、省略しました。)
以上。
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